都市ガスとは
※無断転載を禁じます。
01.天然ガス
都市ガスは、
天然ガスから生まれます。
ガスには都市ガスとプロパンガスがあります。
都市ガスの原料は天然ガス、プロパンガスは石油ガスです。
どちらもガスですが、成分が違うため重さが違います。
ガスは漏れると危険なので、ガス漏れ警報器がついていますが、都市ガスとプロパンガスは警報器の位置が違います。
天然ガスは何種類もあるので紹介していきます。
天然ガス
地下に穴を掘ると自然に噴出するタイプ・在来型
現在使われている都市ガスは主に天然ガス(メタン)から作られていて、ガス田や油田から採出することができます。
天然ガスは「化石燃料」と呼ばれるもので地中に埋まった大昔の生き物が変化してできたものです。
新しいタイプの天然ガス
今後期待できるタイプ・非在来型
コールベッドメタン(炭そうメタン)
石炭が作られる過程で生まれた天然ガスです。アメリカ、ロシア、イギリス、インド、中国、カナダ、オーストラリア、ウクライナ、イギリスで研究・開発が進んでいます。
タイトガス
在来型ガスが貯まっている地層よりも稠密な砂岩層に貯留した天然ガスです。
生産性が低かったため従来は開発が進みませんでしたが、1980年代後半からアメリカで開発が進展しています。
シェールガス
頁岩(シェール)と呼ばれる岩盤層にあり、2000年代になって技術開発が急速に進み、アメリカで大量に生産されて利用されています。
メタンハイドレート
深い海の底にある天然ガスです。天然ガス(メタンガス)と水がくっついた氷状のものです。日本の周りの海にも存在していて、日本で使用するガスの100年分はあるといわれています。
※採出(さいしゅつ)…とりだすこと
※稠密(ちゅうみつ)…一つのところに多く集まっていること
※砂岩曹(さがんそう)…砂が積み重なってできた地層のこと
※貯留(ちょりゅう)…たまること、また、ためること
※進展(しんてん)…物事が進歩発展したりすること
※頁岩(けつがん)…泥岩のうち、特に薄く剥がれ落ちやすい性質の岩石
※岩盤層(がんばんそう)…岩石でできている非常に堅固な層
天然ガスは、大昔の動物の死骸が地中に埋もれて、高温と高圧によって変化してできたと考えられている可燃性のガスです。
石炭や石油・天然ガスのように大昔の生物からできた燃料を化石燃料といいます。
出典:日本ガス協会
02.天然ガスの燃料はどこからくるの?
日本の液化天然ガス(LNG)の主な輸入先
都市ガスはどこで使われているの?
天然ガスは都市ガスとして家庭や学校やビル、病院、工場など、いろいろなところで活躍しています。
特に家庭の中では、料理をする、お湯をわかす、部屋を暖めることができますし、また電気をつくることもできます。
・ガスコンロ
・お風呂と給湯器
・暖房(ガスファンヒーター)
・床暖房
・学校
・エネファーム
まちのいろいろなところで天然ガスコージェネレーションシステムが活躍しています
コージェネレーションとは、ひとつのエネルギーから複数のエネルギーシステムをつくるシステムで、電気をつくる時に出る熱を「暖房」や「給湯」に使うことができます。
大分ガスは大分LNG 株式会社より、
パイプで天然ガスを受入れています。
大分LNG 株式会社は、オーストラリア、インドネシア、ロシアのサハリンなどから、LNG専用タンカーで運ばれた天然ガスを輸入しています。
出典:大分LNG
03.天然ガスはどんなふうに届くの?
天然ガスを一度にたくさん運べるなぞ!
天然ガスを液化すると、体積は約600分の1になります。
これはみなさんの学校にある25mプール(長さ25m×幅12m×深さ1.2m)の水が、家庭用のお風呂の3杯分になる計算です。
出典:日本ガス協会「天然ガスのヒミツをさぐろう」
04.天然ガスは地球にやさしいエネルギー
カーボンニュートラル・カーボンオフセットって何?
地球温暖化って何?
地球温暖化とは
石油や石炭、天然ガスを燃やして電気を作ったり、自動車や飛行機を動かしたりすると、二酸化炭素やメタンなどの温室効果ガスが空気中にどんどん増えていきます。
この温室効果ガスが増えすぎると、太陽からの熱が宇宙に逃げずに地球の表面にどんどんたまってしまうので地球の気温を上昇させてしまいます。これを「地球温暖化」といいます。
昔は温室効果ガスが適量だったので、宇宙に余分な熱が放出されていました。
今は温室効果ガスが増えすぎたため、宇宙への熱の放出が少なく、余分な熱が残ってしまいます。
※温室効果ガスとは、水蒸気・二酸化炭素・メタン・一酸化二窒素・フロンなどの気体。これらの気体が大気圏にとどまることにより、地球の温度上昇を招くとされています。この状態のことを温室効果といいます。
地球温暖化の影響
気温の変化
すごく暑い日が増えたり、寒い日が減ったりします。
海面の上昇
気温が高くなると、氷河が溶けたり、海水の温度が上がることによって海水の体積が増えて海面が上昇します。
自然環境への影響
植物や動物は、自分たちにあった条件の場所でないと生きていけません。地球温暖化が進むと、そうした条件が変わってしまい、今までにいたところに住めなくなってしまいます。
人の健康や活動への影響
熱中症が増えたり、マラリアなどの伝染病の発生が増える可能性があります。
出典:日本ガス協会「こども環境白書2013」
地球温暖化を防ぐためには何をしたらいいの?
カーボンニュートラル・カーボンオフセット
- Q.「カーボンニュートラル」って何?
- A.温室効果ガスの排出を全体としてゼロにするというものです。排出せざるをえなかった分については同じ量を「吸収」または「除去」することで差し引きゼロを目指します。
カーボンオフセットとは
カーボンオフセットとは、CO2をはじめとする温室効果ガスの削減の努力をした上でも、やむをえず排出してしまう温室効果ガス(カーボン)を埋合わせる(オフセット)のために、他の場所で排出削減や吸収の取組みをしたり、そのような事業に出資したりすることです。
※この場合の「クレジット」とは、各地の森林組合などは森林の育成をすることによりCO2を吸収する事業でCO2吸収量に応じた金額を設定して公募しています。企業は自社で発生したCO2に相応した金額を支払うことでCO2を吸収する権利を購入しています。
05.ガスの単位にはどんなものがあるの?
ガスの性質と燃焼
◉比重
ガスの比重とは、一般に空気の重さを1とした時の体積と同じ体積のガスの重さを比で表したもので、比重が1より小さいと空気より軽く、1より大きいと空気より重いことを表します。
◉熱量
[ガスの発熱量]
ガスが燃える時、その成分に応じた燃焼熱が発生します。1㎥Nのガスが完全燃焼した時に発生する熱量を、そのガスの発熱量といい、ガスの発熱量はMJ/㎥の単位で表します。
参考:1kgの水を1℃上昇させるのに必要な熱量は 4.19kJです。
◉ガスの燃焼
ガスに空気を混ぜて点火すると燃えます。
この時に発生する熱を有効に利用し、排気は屋外に出します。
例えば、天然ガスの主成分であるメタン(CH4)を完全に燃焼させると熱が発生し、排気は屋外に出します。
メタンは空気中の酸素と化合して、二酸化炭素と水蒸気と熱を発生します。
また、物が燃えるためには次の条件が必要です。
➀燃えるもの(ガス)があること
➁空気(酸素)があること
➂温度(着火源)があること
ガスは空気と結合して燃焼しますが、空気が多すぎても少なすぎてもうまく燃焼しません。
※ノルマルとは常温・常圧の状態
ガスからどうして火が出るの?
ガスに火がついて燃えるのは、ガスの中に燃えるものがいろいろと含まれているからです。
燃えるというのは、水素や一酸化炭素、メタンガスなどです。
しかし、燃えやすいガスも、それだけではやはり燃えません。
ガスが燃えるためには、もう一つ非常に大切なものが必要です。
それは酸素です。
酸素がないとガスも燃えることはできません。
そのため、宇宙にガスを持って行って、花火で火をつけようとしても火は絶対につきません。
なぜなら、宇宙には酸素がないからです。
もともと燃えやすい性質をもつガスは、空気の中の酸素と混ざり合うことによって、さらによく燃えます。
これが火がつくということなのです。
ガスコンロには、ガスとをよく混ぜる装置がついています。
ところで、ひとくちにガスといっても、いろいろな種類があります。
中には全く燃えないガスもあるのです。
最近、地球のオゾン層を破壊することで問題になっているフロンガスは燃えないガスで、火をつけても全然燃えないし、人間が吸い込んでも害のないガスです。
ろうそくの火とコンロの火、色が違うのはどうして?
ろうそくの火は赤い色、台所にあるコンロの火は青い色。
同じ火なのに、どうして違う色になるのでしょうか。
それは、火の中に「すす」という炭素の粒がどれだけ交ざっているかで色が違ってくるのです。
ろうそくの火が赤いのは、すすが沢山交ざっていてそれが高い温度に熱せられてキラキラして見えるからです。
コンロのようなガスの火にはすすがほとんど交ざっていなくて、空気も沢山入ってよく燃えているので青く見えるのです。
温度を比べると、ろうそくの火は1000度位なのに、コンロの火は約1700度もあります。
焚き火などの赤い火よりも、見えにくい青白い火の方が温度が高いことが多いので覚えておきましょう。
よく使われる単位
ガスの「熱量」とは、ガスが燃えて発生する熱の量で、「発熱量」ともいいます。熱量の単位は“メガジュール(MJ)”が用いられます。
(※1)摂氏0度、圧力101.325キロパスカルでの熱量
ガスの料金表を見ると、基本料金や従量課金単価に並んで1ヵ月の使用量が並んでいます。
その使用量の単位として書かれている㎥がどういった意味かご存知でしょうか?
㎥とは立方メートルであり、漢字では立米(りゅうべい)と表記されます。
面積を表す㎡(平方メートル)が平面を求めるのに対し、こちらは高さを加えた1m×1m×1mの容積です。
都市ガスの圧力の単位は、キロパスカル(kPa)が用いられています。
都市ガスが正常に燃焼するためには、機器の入り口でガスに一定の圧力が必要です。
参考:プロパンガスの熱量と圧力
熱量:約100メガジュール
圧力:2〜3.3キロパスカル